東京とうきょう電力でんりょくは福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ1号機ごうきで、2月つきから原子げんし炉ろを覆おおう格納かくのう容器ようきの中なかにカメラ付つきのドローンを入いれて撮影さつえいする初はじめての調査ちょうさを行おこない、18日にち、原子げんし炉ろの真下ましたにあたる部分ぶぶんで撮影さつえいした画像がぞうを公開こうかいしました。

このうちの1枚まいには原子げんし炉ろの底そこから脱落だつらくした制御せいぎょ棒ぼうを出し入だしいれする機器ききの上部じょうぶに、溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうと周まわりの構造こうぞう物ぶつが混まざり合あった「核かく燃料ねんりょうデブリ」を含ふくむ可能かのう性せいがある塊状かいじょうの物体ぶったいが付着ふちゃくし、一部いちぶがつららのような状態じょうたいで垂れ下たれさがっている様子ようすが確認かくにんできます。

1号機ごうきでは去年きょねん、格納かくのう容器ようきの底そこにたまる水みずの中なかをロボットで調査ちょうさした際さい、底そこの部分ぶぶんにデブリとみられる堆積たいせき物ぶつが確認かくにんされていますが、水の上みずのうえで、デブリを含ふくむ可能かのう性せいがあるものが捉とらえられたのは初はじめてです。

これまでの調査ちょうさやシミュレーションから、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの「核かく燃料ねんりょうデブリ」の量りょうは、1号機ごうきから3号機ごうきで合あわせておよそ880トンにのぼると推計すいけいされていて、このうち1号機ごうきは、もっとも多おおくのデブリが格納かくのう容器ようきの底そこまで溶とけ落おちているとみられています。

東京とうきょう電力でんりょくは、今回こんかいの画像がぞうをさらに詳くわしく分析ぶんせきし、デブリの取り出とりだし方法ほうほうなどの検討けんとうに役立やくだてたいとしています。

専門せんもん家か「核かく燃料ねんりょうデブリが広ひろがっていると考かんがえるのが妥当だとう」

日本にっぽん原子力げんしりょく学会がっかいの廃はい炉ろ検討けんとう委員いいん会かいで委員いいん長ちょうを務つとめる宮野みやの廣ひろしさんは、公開こうかいされた画像がぞうについて「だいたいの物体ぶったいは一度いちど溶とけたあとに固かたまるとつららや塊状かいじょうになる。そういった状態じょうたいのものが複数ふくすうの場所ばしょで見みられていて、基本きほん的てきには核かく燃料ねんりょうデブリが散逸さんいつしている、広ひろがっていると考かんがえるのが妥当だとうだ」と指摘してきしています。

ほかの画像がぞうからも原子げんし炉ろの底そこの部分ぶぶんにあった構造こうぞう物ぶつがかなりの部分ぶぶんで落下らっかしているのが確認かくにんできるとして「核かく燃料ねんりょうの集合しゅうごう体たいが熱あついまま底そこ部ぶにたまって容器ようきを損傷そんしょうさせ、なおかつその下したの構造こうぞう物ぶつまで損傷そんしょうさせるほどの大おおきな熱ねつが与あたえられたと考かんがえられる」としています。

そのうえで、デブリの取り出とりだしに向むけては「1号機ごうきの損傷そんしょうはかなり大おおきい印象いんしょうだ。内部ないぶの状態じょうたいがぐちゃぐちゃしているのは問題もんだいになってくる。今回こんかいの調査ちょうさをもとに、現場げんばにどうアクセスすればいいか、より原子げんし炉ろに近ちかい部分ぶぶんの情報じょうほうを得えることも含ふくめて、検討けんとうにいかしていくことが大事だいじだ」と話はなしていました。